消化器内科医|大圃研先生
どんな環境下でも目の前のことに夢中で取り組めば、
技術も自信も磨かれる
師を持たなかったから確立できた圧倒的な技術力
僕は、卒業以来医局に所属せず、ずっとフリーランスでやってきたため、内視鏡の技術も独学で獲得しました。
指導者もおらず、専門機関などでのトレーニングも積んでいないので、まったくの“我流”です。
組織には属さず、いろんなところを見学して、優れた先生方の技術を集めて作り上げた形が、今の僕のオリジナルになっています。指導者がいないから教えてもらえないとネガティブに捉えるのではなく、教えてくれる人がいないからこそ誰かのスタイルや制約に縛られることなく、自分でやりたいようにやれた。
その結果、独自の技術を磨くことができたのだと思います。またもちろん、内視鏡のことばかりを四六時中考え、そこに多大な時間を割いてきたことも、間違いなく今につながっています。
後進を育てるためにも、自らを追い込み研鑽し続ける
NTT東日本関東病院に移った10年ほど前から、僕のところで学びたいという人たちが集まるようになりました。我流ではあるけれど、それがやがて「大圃流」とも言える、一つの流派のようになっていったのだと思います。
彼らは皆、もっと学びたいという強い意志を持って集まりますが、数年後には必ず独り立ちさせます。そうでなくては組織は新陳代謝されず、停滞するからです。同時に僕自身も、人から学びたいと思われる場所であるために、努力し続けることができるのです。その積み重ねもあり、今では「教育」が、この施設の特徴であり、僕の特徴にもなっています。本当は「内視鏡のゴッドハンド」と呼ばれたかったのですが、「内視鏡教育の大圃」になっています(笑)。
目先のことに真剣に取り組む。それが、次の道を切り拓く
ウエアは、チーム全員で同じものを着ています。やはり、その方が連帯感が強まる。野球やサッカーでも、それぞれが好きなウエアを着るというのはありえないように、チームという一つの単位の中では全員で揃えるのがユニフォームだと思います。濃い色だと汚れが目立たないという点はもちろん、キリッと締まった印象になるのもいいですね。着ている時間が長く、そのまま寝ることもあるので、ボタン類が少ないのも気に入っています。今後の目標を聞かれることも多いのですが、実は考えていません。目先のことを一生懸命やるだけです。そうすれば、次にやることが見えて来るから、またその目先のことをやる。その繰り返しです。ゴールは、たどり着いた時に初めてそこがゴールだったと気付くようなものだと思っています。今、必死でやっているのは目の前の患者さんを治療すること。そして、人を育てることです。近年は、海外での人材育成にも注力しています。フィールドは広がっても、これからも、目の前のことに懸命に取り組んでいきます。