No.12 総集編(最終回)
総集編3
1年間連載させて頂いた「イロのチカラ」も今回が最終回となります。本連載ではそれぞれの回ごとにテーマカラーを設定し、その色の個性と特徴についてご紹介するとともに、テーマカラーの関連商品をおすすめして参りました。締めくくりは「配色の効果」について取り上げたいと思います。「ある目的に応じて2色以上の色を組み合わせること」を配色と定義しますが、ファッション業界で一般的に使われている配色用語を5つ取り上げ、易しく解説させて頂きます。
ドミナントカラー
ビジネスの世界にドミナント戦略という言葉があるように、ドミナントとは「支配していること、優勢であること」を意味する言葉です。また、ここでのカラーは「色相」を意味するため、ドミナントカラーとはまさに、色相に支配されている配色ということになります。この風景画像は、ほぼ青の色相だけで構成されているため、ドミナントカラー配色と呼ぶことができます。色相のもつイメージやメッセージを表現しやすい配色技法です。
トーンオントーン
トーンとは色調(色の調子)を表わす言葉です。私たちが普段の生活の中で色を扱う時には「明るい感じが好き」とか「和のイメージにしてください」というように、色のイメージを中心に話を展開するほうがラクで、相手にも伝わりやすいのではないでしょうか?トーンオントーンとは文字どおり「トーンの上にトーンが重なる」という意味で、同系色の濃淡配色になります。画像はピンクの濃淡で、まとまり感の中に適度なメリハリ感が出るのが特徴です。
トーンイントーン
トーンイントーンとは「トーンの中で」という意味の言葉です。トーンを揃えてさまざまな色相を同居させる配色方法で、画像のお菓子は典型的なトーンイントーン配色となっています。トーンのもつイメージがそのまま配色のイメージになるため、カラーバリエーションを増やしたい時にはトーンイントーン配色で使用するトーンを変えて行くと、驚くほどのイメージ変化を楽しむことができます。日本語で表現するならば、同一トーン配色となります。
トリコロールとビコロール
トリコロールという言葉のうちトリは「3、3つの」コロールは「色」という意味です。はっきりとした色を使い、メリハリのある3色配色にしたものがトリコロール配色です。国旗にはこの配色が数多く見受けられます。なお、ファッション業界では赤・青・白の3色配色だけをトリコロールと呼びます。ビコロールはまたの名をバイカラーといい、青と白、赤と黄色、赤と白などのようにメリハリのある2色配色を意味する言葉です。