No.11 総集編2
総集編2
総集編の2回目は色のメンタル効果についてご紹介します。
私たちの誰もが、普段の生活の中で無意識のうちに色の影響を受けているといわれます。なぜなら色は、私たちの生理・心理と密接に結びついているからです。今回は誰もが知っている「色の感覚」を整理することで、改めて「色を使って快適に過ごす方法」を考えてみましょう。
院内のインテリアプランニングにもご参考になさってください。
涼やかな空間
色から感じられる温度感は三つのグループに分けて考えることができます。
1暖色…レッド、オレンジ、イエローの範囲
2寒色…ブルー系を中心にブルーグリーン、バイオレットの範囲
3中性色(暖かさも冷たさも感じない色)…グリーン系とパープル系の範囲。
蒸し暑いこの時期には、寒色や中性色を上手に用いると涼しさを演出することができます。ある実験で、彩度の高い暖色系の部屋と寒色系の部屋を用意し、エアコンの温度を被験者にとって快適な室温になるよう調整してもらったところ、両部屋で最大「プラスマイナス2度」の開きが出ました。色の効果は侮れないですね。
話がはずむ空間
彩度の高い鮮やかな色は私たちに元気を与えてくれます。インテリアに使う時には、空間に対して10%以下の面積でアクセントカラーとして使うのが最も効果的。
無機質な白い空間にビビッドな色が加わることで、人の気持ちにもアクティブな変化をもたらすのです。
ちなみに、スウェーデンのあるオフィス内の休憩コーナーは、この画像とまったく同じ色使いになっていました。
病院内の談話室では、温かく柔らかな暖色系の色をアクセントとして使うのもおすすめ。パステルオレンジやライトウォームピンクなどは、私たちの心を解きほぐしてくれます。
明るさのバランス
ファッションのコーディネートにおいて「上半身に明るい色、下半身に暗い色」を組み合わせるとフォーマルな印象が協調され、安定感と落ち着きを感じさせます。
(画像:左)
この明るさ関係を逆転させ、「上半身に暗い色、下半身に明るい色」を配するとキビキビとした躍動感が生まれます。
(画像:右)
私たちは普段、この明るさのバランスを意識することはあまりないかもしれませんが、たとえばクラシックコンサートの演奏会に出かければ、奏者の女性は上が白のブラウス、下は黒のロングスカートです。また、サッカーや野球などスポーツ選手のユニフォームは往々にして下に白を用いています。
食の三原色
食欲をそそるおいしそうなお料理も、実は配色で決まります。1枚のお皿の上に赤・黄・緑の3色が揃う時、私たちは生理的に「ああ、おいしそうだな」と感じるのです。
栄養学ではこれを「食の三原色」と呼んでいて、色のバランスが良いお料理は栄養のバランスも良いとしています。日本ではこれに白(葱や大根など)と黒(黒豆、昆布、海苔など)の食材が加わり、「食の五原色」とすることもあります。
また、五目御飯、五目寿司などと言う時の五目(ごもく)とは「たくさんの種類の」という意味です。もともと中国から来た発想であり、五臓を養うための食べ物を意味しています。