No.04 RED(赤)
今回のテーマ レッド・赤
「色の中の色」「色彩象徴の森」などと形容される赤は、私たちが頭の中でもっともイメージしやすい心理四原色のひとつ。暖かい火の色であり、生命を象徴する血の色であり、日本においては太陽を表す色でもあります。(世界的な視点で見ると太陽の色は黄色で象徴されることが多い)1年の中でも12月~1月はひときわ赤が輝いて感じられる季節。今回は西洋の赤と東洋の赤を対比させてご紹介致します!
サンタクロースの服はなぜ赤いの?
サンタクロースのモデルになった人物は、4世紀頃 現在のトルコに実在していたセント・ニコラスです。古い時代に描かれたサンタクロースは赤以外に青や緑、白い服を着ていることもありましたが、赤はキリスト教における「司教の正装」「慈愛の象徴」であるため、やがてサンタクロースの服は赤に統一されていきました。しかしながら体型は痩せていたり、小人(こびと)だったりとさまざまだったのです。現在のサンタクロースのイメージを定着させたのは1931年~64年まで、実に30年以上にわたり米国コカ・コーラ社の広告としてサンタクロースを描いたハッドン・サンドブロムの絵によるものです。広告のチカラはすごいですね!
花言葉「私の心は燃えている」
クリスマスの定番カラーといえば赤と緑ですが、その理由をご存じですか?最も一般的な説によると、赤はキリストが十字架にかかった時に流した血の色を表し、緑は冬でも葉が落ちない常緑樹の色として永遠の命を象徴しています。また、クリスマスの花として定番のポインセチア、緑の葉の上の赤い部分は苞葉(ほうよう)と呼ばれ、意外なことに花ではなく葉なのです。このポインセチア、欧米ではクリスマスフラワーとも呼ばれ、メキシコではノーチェブエナ(聖夜)と呼ばれます。花言葉は「私の心は燃えている」。さすがはラテンの国の花ですね。
鳥居の朱色に込められた意味
神社の鳥居といえば私たちは真っ先に朱色を思い浮かべますが、朱は古代から「魔除けの色」「魔力に対抗する色」とされてきました。朱の鳥居で有名なのは何といっても京都の伏見稲荷大社ですが、ここでは「赤は豊穣を表す色」とも解釈されているようです。鳥居に用いられる朱色は丹(に・たん)といわれ、鉛丹(えんたん)を主原料とした塗料です。この塗料には酸素を遮断する効果があるため、鳥居の朱色は「木材の腐食を防止する」という実用性も兼ね備えているのです。
参考:伏見稲荷大社(http://inari.jp/)
紅白はなぜおめでたいの?
赤と白が揃うとおめでたいとされる理由には諸説があるようなのですが、有力なものとしては…《その1》日本人は昔からおめでたい事があると赤飯を炊き、餅を振る舞う習慣があり、ハレの日の食べ物として「赤飯と白餅」は全国的に一般化している。これが「紅白はおめでたい」という概念の基盤を形作っている。《その2》室町時代の朱印船貿易において、中国は日本向けの品物に目印として紅白の紐をかけていた。これが「献上品には紅白の紐」という誤解を生み、紅白の水引のルーツになった。
※参考文献…『日本色彩学界ニューズ』2006年12月号(No.245)色彩文化雑感